テレビ
テレビは、「テレビジョン」及び「テレビ受像機(テレビジョンセット、Television set)」の略語であり、一般には次のような文脈で用いられる。
- テレビジョン:放送あるいは通信や遠隔監視に使用される、遠方へ映像を送る技術(映像機器を含む。本項で詳述)。
- テレビジョン放送:主として動画を電波を使って、不特定多数のために放送する仕組み。通常は動画に加えて音声、あるいはデータ等の付加情報を送ることができる。電波を使用せず有線で送出するケーブルテレビ(CATV)もある(本項で詳述)。
- テレビジョン放送で送られる番組(プログラム)。⇒テレビ番組を参照。
- テレビジョン放送を視聴するための受信機。⇒テレビ受像機を参照。
「テレビジョン」はフランス語の télévision(テレヴィジョン)に由来し、“TV”と略されることも多い。なお、tele- (τηλε) はギリシア語の「遠く離れた」、"vision" はラテン語で「視界」の意味である。
なお、日本の法令では「テレビジョン」は「電波を利用して、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を送り、又は受けるための通信設備」と定義されている(電波法施行規則2条1項22号)。また、「テレビジョン放送」は「静止し、又は移動する事物の瞬間的影像及びこれに伴う音声その他の音響を送る放送(文字、図形その他の影像(音声その他の音響を伴うものを含む。)又は信号を併せ送るものを含む。)」と定義されている(電波法施行規則2条1項28号、放送法施行規則2条2の5号)。
目次 |
[編集] テレビの歴史
- 1843年 - スコットランドのアレクサンダー・ベイン、静止画像を走査し電気信号に変換して、電送する装置を開発。(FAXの歴史参照)
- 1873年 - イギリスで明暗を電気の強弱に変えて遠方に伝えるテレビジョンの開発が始まる。
- 1875年 - アメリカのジョージ・ケリー、並列式の機械走査の概念を提案。
- 1877年 - アメリカのウィリアム・ソーヤー、直列式の機械走査の概念を提案。
- 1884年 - ドイツのポール・ニプコー、直列式の機械走査を実現する「ニプコー円板」の発明。
- 1896年 - イタリアのグリエルモ・マルコーニが電磁波を使って、3km離れた地点間でモールス信号の無線通信実験に成功。(無線通信の歴史参照)
- 1897年 - ドイツのフェルディナント・ブラウン、テレビの受像管に用いられる「ブラウン管」の発明。
- 1907年 - ロシアのボリス・ロージング、ブラウン管によるテレビ受像機を考案し特許出願。
- 1908年 - イギリスのキャンベル・スウィントン、電子式走査法の概念を科学雑誌Natureに発表。陰極線管テレビジョンを示唆。
- 1911年 - ボリス・ロージング、世界で初めてブラウン管を用いたテレビの送受信実験を公開。撮像に機械式のニプコー円板と受像に電子式のブラウン管を用いた。簡単な図形の輪郭の受像に成功。
- 1923年 - アメリカへ亡命したロシアのウラジミール・ツヴォルキン、電子走査式撮像管アイコノスコープを考案し特許出願。
- 1925年 - スコットランドのジョン・ロジー・ベアード、機械式テレビの開発。撮像と受像に機械式のニプコー円板を用いた。見分けられる程度の人間の顔を送受信することに成功。
- 1925年 - アメリカのチャールズ・フランシス・ジェンキンスが機械式テレビの画像を8km離れた地点間で無線送受信する公開実験を行う。
- 1926年(昭和元年) - ジョン・ロジー・ベアード、ロンドンの王立研究所で動く物体の送受信の公開実験に成功。
- 1926年12月25日 - 浜松高等工業学校の高柳健次郎、電子式テレビ受像機(ブラウン管式)の開発。撮像に機械式のニプコー円板を、受像に電子式のブラウン管を用いた。「イ」の字を表示させる。
- 1927年 - アメリカのフィロ・ファーンズワース、電子式テレビ撮像機の開発。電子走査式の撮像管「イメージディセクタ」による映像撮影に成功。ブラウン管に「$」を表示。
- 撮像・受像の全電子化が達成される。
- 1928年 - ジョン・ロジー・ベアード、カラーテレビの公開実験に成功。
- 1929年 - イギリスのBBCがTV実験放送開始。
- 1933年 - アメリカのウラジミール・ツヴォルキンがアイコノスコープを開発、野外の景色を撮像することに成功。
- 1935年 - ドイツで世界初の定期試験放送開始。ベルリンオリンピックの中継が行われる。
- 1936年 - ハンガリーのKálmán Tihanyi、プラズマテレビの原理を示す。世界初のフラットディスプレイの概念。
- 1939年(昭和14年)5月13日 - NHK技研による公開実験。
- 1940年(昭和15年)4月13日 - 日本初のテレビドラマ「夕餉前」の実験放送。
- 1941年(昭和16年)3月 - 米国でNTSC方式の白黒テレビ放送開始[1]。
- 1953年(昭和28年)2月1日 - NHKのテレビ放送開始(日本での地上波テレビ放送の開始)。
- 1953年(昭和28年)8月28日 - NTV 日本テレビ放送網、テレビ放送開始(民放での初のテレビ放送の開始)。また、テレビ画面が裏返しに映る放送事故が発生した。
- 1953年(昭和28年)12月 - 米国でNTSC方式のカラーテレビ放送規格の成立[1]。
- 1954年(昭和29年)1月23日 - アメリカNBCが、NTSC方式によるカラー本放送開始。
- 1955年(昭和30年)4月1日 - ラジオ東京(KRT・KRテレビ、現:TBSテレビ=TBSテレビジョン)がテレビ放送開始。
- 1956年(昭和31年)12月 - NHKのカラーテレビ実験放送開始(UHF帯を使用)
- 1957年(昭和32年)11月1日 - 日本教育テレビ(NET、現:テレビ朝日)設立
- 1957年(昭和32年)11月18日 - 富士テレビジョン(開局前の1958年12月にフジテレビジョンに改称)設立。
- 1957年(昭和32年)12月28日 - NHK東京、日本テレビがカラー試験放送開始(通常テレビのVHF帯)
- 1958年12月23日 - 東京タワーから放送開始。
- 1959年(昭和34年)2月1日 - 日本教育テレビ(NET、現:テレビ朝日)開局
- 日本では教育分野へのテレビ利用が検討され始め、教育局、準教育局として開設される局が多くなる。
- 1959年(昭和34年)3月1日 - フジテレビ(略称:CX)開局
- 1960年(昭和35年)9月10日 -カラー本放送開始(NHK=東京、大阪の総合、教育両テレビ、日本テレビ、TBS、読売テレビ、朝日放送)。日立製作所、国産カラーテレビを発売。キャッチコピーは「色は日立のお家芸」
- 1964年(昭和39年)4月12日 - 財団法人日本科学技術振興財団テレビ局開局。(通称:東京12チャンネル、別名:科学テレビ、略称:TX、後に東京12チャンネルを経てテレビ東京)
- 1968年(昭和43年)2月20日 - 日本初のUHF局としてNHK徳島教育テレビジョン運用開始。
- 1968年(昭和43年)5月5日 - 琉球放送・沖縄テレビ放送がカラー放送開始。
- 1968年(昭和43年)8月12日 - 日本初の独立UHF局としてGBS 岐阜放送がテレビ放送開始。
- 1968年(昭和43年)10月1日 - 福島テレビのカラー放送開始により民放テレビ先発局のカラー化が完了。それ以降に開局する民放テレビ局は福島中央テレビを除き開局当初からカラー放送を開始することになる。
- 1969年(昭和44年) - 日本のテレビ受像機生産台数が世界1位になる。
- 1970年(昭和45年) - NHK、東京と大阪でNHK UHFテレビ実験局(UHFテレビ放送の試験運用)を開始。(1975年(昭和50年)4月まで)
- 1973年(昭和48年)11月1日 - NETテレビ(日本教育テレビ。後のテレビ朝日。)と東京12チャンネル(後のテレビ東京)が総合テレビ局化。
- 1978年(昭和53年)9月28日 - 日本テレビが世界初の音声多重実用化試験放送を開始(その後、NHK、読売テレビ、他の在京民放等が続き、後にNHKは1986年までに全国へ 民放は北海道の一部地域を除いて全国へ拡大。なお、民放各局でもこれまでアナログ放送で行われていなかった北海道の一部地域(札幌圏以外の残りの地域)でも2007年10月1日以降の地上デジタル放送の中継局開設によりNHKだけでなく、地上デジタル放送のみだが、民放各局でも音声多重放送が受信可能となった)。
- 1982年(昭和57年) - エプソンがテレビ付き腕時計「テレビウオッチ」を開発。液晶テレビとしては世界初。
- 1983年(昭和58年) - エプソンが液晶ポケットカラーテレビ「ET-10」を開発。世界初のTFT液晶テレビ。世界初の液晶カラーテレビ。
- 1984年(昭和59年)5月12日 - NHKが衛星放送 (BS) の試験放送を開始。1989年(平成元年)6月1日から本放送を開始。
- 1990年(平成2年)11月30日 - 日本初の民間衛星放送局・日本衛星放送(JSB・WOWOW)が試験放送を開始。翌年4月1日より有料の本放送を開始。
- 1991年(平成3年)11月25日 - BSアナログハイビジョン試験放送開始。
- 1992年(平成4年) - 富士通ゼネラルの篠田傳が世界初のプラズマテレビを開発。「愛」の字を表示させる。
- 2000年(平成12年)12月1日 - 午前11:00 - BSデジタル放送が放送を開始。
- 2003年(平成15年)12月1日 - 午前11:00 - 東京、名古屋、大阪を中心に地上デジタル放送を開始。
- 2006年(平成18年)4月1日 - 午前11:00 - 地上デジタル放送が既に開始されている地域を中心に移動体受信機向けの地上デジタル放送、通称「ワンセグ」開始。
- 2007年(平成19年)10月1日 - BSアナログハイビジョン放送終了。
- 2009年(平成21年)6月12日 - 米国でほとんどのNTSC方式の放送停止、68年間放送の歴史に幕引き。ATSC方式デジタルテレビ放送へ全面移行[1]。
[編集] テレビの技術
[編集] 媒体
- 地上放送:地上の送信所から放送する放送方式。
- 地上BSアナログテレビジョン放送:1953年(昭和28年)から放送されている現在の方式。2011年(平成23年)7月24日に停波される予定となっている。
- 地上デジタルテレビ放送:2003年(平成15年)12月1日より本放送を開始した。
- 衛星放送:人工衛星(直接放送衛星 (DBS) 、通信衛星 (CS))から放送する放送方式。
- ケーブルテレビ(CATV)
[編集] 伝送方式
- アナログ放送:映像をアナログ変調方式(振幅変調 (VSB) 、周波数変調 (FM))で伝送する放送方式。
- 世界の放送方式
- デジタル放送:全ての映像・音声・付加情報をデジタル変調方式(OFDM、QPSK、QAMなど)で伝送する放送方式。日本ではISDB(統合デジタル放送)とも呼ばれる。
[編集] 画質
- 高精細度テレビジョン放送(HDTV)
- 標準テレビ放送
- 従来のアナログテレビ放送(NTSC、PAL、SECAM)
- クリアビジョン:画質改良版NTSC放送。暗部画質の改善、重畳されたゴーストクリア基準信号を元に演算を行いゴーストを低減させる。
- ワイドクリアビジョン:画質改良版クリアビジョン放送。水平、垂直、時間軸の情報量を増やすことで画質を改善。16:9放送、NTSCと順次走査を両立。
- 地上波アナログ放送(SD=標準画質), 720×480(約35万画素)
[編集] 付加情報
- 音声多重放送:ステレオ音声、あるいは2言語(例・日本語と英語)の音声を流す。コールサインはJOAX-TAM(日テレの場合)のように"-TAM"がつく。
- 文字多重放送:画面上部の見えない部分(垂直帰線期間内)に文字情報や簡易図形情報を重畳。コールサインはJOCX-TCM(フジの場合)のように"-TCM"がつく。
- クローズドキャプション:広義には文字多重放送全般。狭義には米国の文字放送のことで、中大型テレビには法律でデコーダの内蔵を義務づけられている。
- 緊急警報放送システム:災害時に専用の受信機を起動、停止させる特殊信号。
[編集] 視聴時間
2005年度のフランス・カンヌで開催されたテレビ番組の国際見本市「MIPTV」で発表された統計によると、世界で最もテレビを見る時間が長いのは日本人で、1日のテレビ視聴時間は平均5時間1分だった。2位は米国で4時間46分。世界平均は米国より90分少ない。最下位は中国とスウェーデンの2時間30分だった。
[編集] テレビ離れ
詳細は「テレビ離れ」を参照
[編集] 日本
NHKの行った「国民生活時間調査」によると、日本人のテレビ視聴時間は平均4時間、日曜日は5時間以上。70代以上は平日でも男女共に5時間以上テレビを見ている。一方、20代男性だけはテレビを見る割合が5年前と比べてはじめて8割を下回り、「全く見ない」という人も20%存在した。
10代から20代の若年層については、テレビの視聴時間は年ごとに減少している[2]。
[編集] 米国
米国調査会社MediaPostの調査によると、米国の大学生で1週間に10時間以上テレビを見る割合は17%。一方で1週間にインターネットを10時間以上利用する人の割合は43%だった。
[編集] 身体と精神に与える影響
- オーストラリア、メルボルンのベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のデビッド・ダンスタンによると、テレビの視聴が1日2時間未満の人と比べて、4時間以上の人は、あらゆる要因によって死亡する危険性が46%高い[3]。また、心疾患にかかる危険性は80%高い。また、小型モニターの長時間視聴は心臓の負担になる。
調査は8800人を対象に6年間にわたって行った。年齢や性別、喫煙、体重、運動などの影響は除かれている。この研究結果は、Journal of the American Heart Associationに掲載された。
- 米国Harvard公衆衛生大学栄養学部のFrank B. Lu氏らの研究グループが5万人以上の女性看護師を対象に行った調査によると、テレビの視聴時間が多いほど、肥満と糖尿病のリスクが高い[4]。研究結果は2004年に、Journal of American Medical Association(4月9日号)にて発表された。一日の視聴時間が2時間増えるごとに、肥満の相対リスクは23%、2型糖尿病の発症は14%、統計的に有意に増える(95%信頼区間)。調査において、年齢、喫煙、飲酒、食事の影響は調整している。
- 『東亜日報』によると、韓国のテレビ番組『リアル実験プロジェクトX』が行った実験の結果、テレビの視聴をやめることは、夫婦間の関係を改善するなどの利点があった[5][6]。実験は、ケーブルテレビの教育チャンネル「EBSテレビ」が韓国南部の離島、多浪島で3週間にわたって行った。同島の村に住む全28人の住民を対象に、各家庭には監視カメラを設置し、テレビの視聴を禁じた。実験終了後のアンケート調査では、大半の被験者は以前よりもテレビの視聴時間を減らし、読書や夫婦間の対話、宗教活動が増え、精神的に豊かになったと感じていた。
- 科学誌Scienceに載ったMax Weisらの研究によると、テレビ番組で黒人差別をする発言があからさまに言われなくとも、テレビで描かれるふるまいや行動が、視聴者の黒人に対する差別的な見方や行動を生み出すという[7]。すなわち言葉の情報ではなく非言語的な情報が、人々の思考や行動に影響を及ぼしていることになる。Weisbuchらの研究では、偏見の非言語的な描写を含む番組を見る頻度と個人が持つ偏見に関連があることが分かった。
- 鳥取県西伯郡の南部町では、南部町教育振興会が毎月1日と15日に、なるべくテレビを見ないよう南部町の人々に呼びかける「町内一斉ノーテレビデー」キャンペーンを実施している[8]。生活習慣の改善や親子のふれあいを増やすことなどを目的としている。また、テレビを長時間視聴すると前頭葉が働かなくなると警告している。前頭葉が働かないと、怒りっぽくなったり、集中力や記憶力の低下などの症状がでる。
[編集] 子どもに与える影響
- 米ハーバード大学医学部のSonia A. Millerによると、テレビを長く見る幼児ほど、食生活が悪い[9]。研究結果では、テレビの視聴時間が1時間長くなる度に、1日の摂取カロリーが46カロリー増えていた。ただし、実際にテレビが食生活を悪くさせるのかどうかは明らかではない。しかしSonia A. Millerは、コマーシャルやテレビを見ながらの食事が、悪い食生活を招くとしている。調査は平均年齢3歳の幼児を対象に行われ、母親達からテレビの視聴時間と食事内容を聞いた。
- 日本の内閣府政策統括官(共生社会政策担当)が平成10年10月~12月に実施した「青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究」では、テレビの暴力シーンを多く見る子どもほど暴力を振るいやすいといった影響があることが分かった[10]。調査対象となった子どもは小学6年生と中学2年生、3,242人だった。
この調査では、テレビの暴力シーンを見た量を「上位群」「中位群」「下位群」に分け、暴力シーンを多く見た量が多いほど、最近1年間で暴力行為を経験した子どもの割合が多かった。一方、暴力被害に遭った子どもの数は暴力シーンを見た量との関連は見られなかった。
非行・不良行為の経験と暴力シーンを見た量に関連が見られた。暴力シーンを見る量が多いほど非行・不良行為の経験をした子供の割合は多かった。
「相手からやられたら、やりかえしてもよい」「男がケンカをするのはあたりまえだ」といった「暴力の許容性」についての調査は、調査項目7項目中5項目において、暴力シーンを見る量が多い子どもほど、暴力を許容する内容に賛成する子どもの割合が多かった。
「被害者への共感性」の調査では、暴力シーンを多く見る子どもほど、暴力被害者のつらさに対する共感性が低かった。
保護者への調査で「Vチップ」制度について聞いたところ、「積極的に導入すべきである」と「導入を検討すべきである」を合わせて、父親が42%、母親が45%だった。「導入の必要はまったくない」と「あまり導入の必要はない」は、父親が46%、母親が34%だった。
「Vチップ」を参照
- メアリー・G・バーク医学博士によると、テレビ、ビデオ、コンピュータ・ゲームといった映像メディアと子どもの行動の関係についての数々の研究において、映像メディアの視聴時間と子どもの暴力性は関連があることが分かっている[11]。小・中学生の男の子達を対象に行った研究では、映像メディアを見る時間が少ないほど子どもの攻撃性は弱まることが分かっている。また多くの研究では、映像メディアの過剰な視聴は子どもの行動を堕落させることが示されている。
- 過剰な映像メディアの視聴が原因で精神障害が起きた、あるいは悪化した事例は実際にあり、例えばメアリー・G・バーク医学博士が治療に当たったチャールズという6才の子どもは衝動的攻撃性を持ち、在学に支障をきたすほど症状は深刻で、最初は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断された。チャールズは就学前から毎日3、4時間テレビを見ていたが、見ていたのは一般向け番組だけであった。チャールズは感情を表すことがなく、特に楽しいという気持ちが欠如しているようであった。しかしバークが遊技治療を行い、6ヶ月にわたりチャールズのテレビ視聴時間を週4時間に減らした結果、チャールズは喜びの感情を表すようになり、攻撃的な行動は減っていった[11]。
- 心理学者のAric Sigmanによると、テレビの視聴は子どもの健康に悪影響を与える[12]。Sigmanによると、幼児期におけるテレビの視聴が多いほど、自閉症や視力低下、肥満を引き起こす。また、テレビの視聴はホルモン「メラトニン」の分泌を抑制し、その結果DNAの変形を引き起こし、ガンの原因になる可能性がある。
Sigmanは3歳未満の子どもはテレビを観るべきではないと言っている[13]。
- カナダのモントリオール大学、セント・ジャスティン大学病院研究センター、米国ミシガン大学の小児科専門医たちが、カナダのケベック州で生まれた1,314人の子供を対象に行った研究では、幼児期にテレビを長時間見ていた子どもは、学校での適応能力の欠如、いじめに遭いやすい、数学などの学力低下、運動不足、ジャンクフードの過食、肥満度(BMI)が高いといった問題が起きると発表した[14]。
- 日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会は、乳幼児にテレビを長時間見せると、言語発達が遅れる危険性があるとして、2歳以下の子どもにテレビを長時間見せないことを提言している[15]。同委員会によると、子どもに知識を教えるためにテレビを見させる親もいるが、言語能力は大人との双方向の関わりが必要であり、一方的に聞くだけでは発達しない。同委員会の調査結果では、子どもの長時間視聴は、1歳6ケ月の時点における、意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があった。
- カナダのトロント大学の栄養士、Harvey Andersonによる小児肥満症の研究において、子どもがテレビを見ながら食事をすると肥満になる可能性が高まることが分かった。研究結果によると、テレビを見ながら昼食を食べる子どもは、テレビを見ない子どもに比べて228カロリー余分に多く摂取している[16]。テレビを見ながら食事をすると、いつ食事を止めるべきかの判断力が奪われてしまうからである。
- アメリカのランド研究所の研究によると、10代の男女は、性描写のあるテレビ番組を見る子どもほど妊娠する・させる可能性が高い(論文執筆者は、行動学研究者のAnita Chandra)。研究チームは12歳から17歳までの2000人を対象に聴き取り調査を行った。その結果、性描写を含むテレビ番組を最も多く見る子どもは、最も見ない子どもと比べて妊娠する・させる可能性が2倍だった[17]。
- 中国の「華西都市報」によると、14歳の少年がアニメ「トランスフォーマー」に影響されてガソリンを5年間飲み続けていたことで、知能障がいに陥っていることが分かった。同作品のキャラクターがガソリンの補給でパワーアップする姿に感化されたという。ただし少年は以前、ガスを吸い込んでいたという経緯もあった[18]。
[編集] 視聴方法
放送の受信はアンテナまたはケーブルテレビ局などから信号を受け取りチューナーで選局され映像信号に変えられて、テレビ受像機やDVDレコーダー等の録画機に導かれる(一般に録画機は再生機能も持つが、ここでは録画機と表記する)。
アナログ放送もデジタル放送も次の機能や機器によって受信し視聴や録画を行うのは同じことである。
- チューナーから映像・音声信号をテレビに接続し視聴する。
- チューナーから映像・音声信号を録画機を経由してテレビに接続し視聴、録画する。
- チューナーから映像・音声信号を録画機に接続し録画のみを行う。
- チューナー内蔵録画機から映像・音声信号をテレビに接続し視聴、録画する。
- チューナー内蔵テレビで直接視聴する。
- チューナー内蔵録画機で録画のみを行う。
かつては地上アナログ放送専用のチューナーと呼ばれる単体商品も存在した。これはゴーストキャンセル機能の強化や、音声多重機能のないテレビやビデオデッキに対しその機能を提供する目的で製造されていた。エントリークラスでもテレビで5万円、家庭用ビデオデッキで10万円を下らなかった時期に登場したものだが、NEC等1990年代に入っても生産していたメーカーも存在する。
[編集] テレビ番組の制作
テレビ番組の制作に関連する項目には次のようなものがある。詳しくは制作スタッフを参照。
[編集] テレビ受像機
- テレビ受像機:いわゆる「テレビ」。受信機の一種。
- ビデオ信号記録装置(ビデオテープレコーダ、DVDレコーダーなど):テレビの映像を記録
[編集] テレビ放送機器
- 送信所設備
- 演奏所設備
演奏所設備をスタジオ機器と言うこともある。この場合撮影スタジオに置かれる機器だけを指すのではなく局舎内の放送関連機器全般を指す。主な物を以下に示す。
- 主調整室(マスター)
- マトリクススイッチャー(ルーティングスッチャー)
- 多重化装置 (MUX)
- 限定受信システム
- データ放送システム
- CMバンクシステム
- 自動番組制御装置 (APS, APC)
- 番組バンクシステム
- ビデオサーバ
- ビデオテープレコーダ
- 緊急警報放送システム
- 回線システム
- 副調整室(サブ)
- プロダクションスイッチャー
- ビデオカメラ
- テロップ挿入装置
- 照明装置
- 営業放送システム
- FPU(Field Pickup Unit/マイクロ波中継装置)
[編集] 脚注と資料
- ^ a b c "ATSC SALUTES THE ‘PASSING’ OF NTSC"" (英語). NTSC (209-06-12). 2009年6月13日閲覧。
- ^ http://blog.japan.cnet.com/nakajima/archives/003268.html
- ^ 毎日4時間以上のテレビ視聴は死亡の危険性高い、豪研究 AFPBB News 2010年7月18日閲覧。
- ^ [ http://www.nikkeibp.co.jp/archives/342/342081.html「1日2時間以上のテレビ」で肥満の危険] nikkei BPnet 2010年6月15日閲覧。
- ^ テレビを消したら夫婦仲が改善、韓国の離島で実験 AFPBB News 2010年6月15日閲覧。
- ^ テレビを消しただけで…「生活が楽しくなった」 ある離島の実験 東亜日報 2010年6月19日閲覧。
- ^ Science|ハイライト Science|サイエンスジャパン 2010年6月18日 閲覧。
- ^ 「町内一斉ノーテレビデー」キャンペーン 鳥取県西伯郡・南部町(なんぶちょう)行政サイト 2010年6月24日 閲覧。
- ^ テレビの見すぎは幼児の食生活を悪化させる(2007.3.12掲載) ヘルスデージャパン 2010年7月21日 閲覧。
- ^ 青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究の概要 青少年育成ホームページ 2010年7月6日 閲覧。
- ^ a b テレビと映像メディアが脳の発達に与える影響 チャイルド・リサーチ・ネット(CRN) 2010年6月24日 閲覧。
- ^ 予想以上?テレビが及ぼす子供への悪影響 - 英国 AFPBB News 2010年6月14日閲覧。
- ^ Children under three 'should not watch TV' Telegraph 2010年6月14日閲覧。
- ^ カナダ研究:長時間のテレビ視聴 幼児の健康に悪影響 大紀元 2010年6月14日閲覧。
- ^ 乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です 日本小児学会 2010年6月14日閲覧。
- ^ Turn off TV during meals or kids may get fat-study Reuters 2010年6月14日閲覧。
- ^ 性描写含むテレビ番組、10代の妊娠に影響 米研究 AFPBB News
- ^ 「トランスフォーマー」に影響され5年間ガソリンを飲み続けた少年。 Narinari.com 2010年6月29日閲覧。
[編集] 関連項目
- 薄型テレビ(液晶テレビ、プラズマテレビ等)
- 機械式テレビジョン
- B-CAS
- 放送法
- 有線放送
- インターネットテレビ
- インターネットラジオ
- ラジオ
- 公共放送
- 民間放送
- テレビ局
- キー局
- ローカル局
- 番組表
- 視聴率
- 視聴質
- ニュースネットワーク
- テレビ離れ
- 番組コーディネーター
- テレビ周波数チャンネル
[編集] 団体
- SMPTE
- 欧州放送連合
- 全米放送事業者協会
- The Society for Information Display(SID:世界最大のディスプレイ学会)
[編集] 外部リンク
- テレビは進化する -日本放送技術発達小史-
- Ed Reitan's Color Television History アメリカのカラーテレビの歴史(英文)
- カラーテレビ革命(英文、カラーテレビの初期の事柄が中心)
- アナログ各TV方式のチャンネルと周波数対照表